私には、カメラについて白状しなければいけないことが、ひとつあります。
カメラは、買うときが一番熱量が高い。
撮るための道具のはずなのに、買った瞬間がピーク。本末転倒みたいな話ですが、これが私の本当のところです。
今回の買い物は、その集大成でした。
DJI Osmo Pocket 4P。
半年以上待って、発売30分後にヨドバシの店頭で手に入れて、周辺機器まで一式そろえました。
で、いま何を撮っているか。
ほぼ、何も撮っていません。
それなのに、このカメラのことが結構好きなんです。我ながらどうかしていると思うので、順を追って話させてください。
先に結論
- 本体は半年以上待って、発売30分後にヨドバシ店頭で購入。貯めたポイントで持ち出しゼロ
- 周辺機器は当たり外れがくっきり。当たりはUlanziのミニ三脚ベースセットと、VRIGの磁気マウント
- 車載用の電動吸盤マウントは、ダッシュボードの上で空気を吸いっぱなし。じじじじい言いながら固定できなかった
- そして肝心の撮る対象が、まだ見つかっていない。それでも後悔していないから困っている
買う前に、9日間だけ持っていた
始まりは、レンタルでした。
去年の10月、旅行に持っていくカメラが欲しくて、レンティオでOsmo Pocket 3を借りたんです。
これが、とても体験が良くて。
旅行から帰ってきた私は、もう買う気になっていました。
ところが、まもなく新型が出るんじゃないかという噂がある。じゃあ新しいのが出たら買おう、と思いとどまりました。
ここからが長かった。
待って待って待って待って、やっと出たんです、4が。
でも、その頃には望遠がついた二眼のモデルが出るという噂が出ていました。
なので4を買うのをじっと我慢して、4Pを待ちました。
飛びついたというよりも、待ちきれないくらいに待って、半年以上待って、やっと買った。そういう買い物です。
私が待っていた「望遠」の正体
半年待ったものの正体を、数字で置いておきます。
| 項目 | DJI Osmo Pocket 4P |
|---|---|
| 発売 | 2026年6月29日 |
| 価格 | スタンダードコンボ 99,000円/Vlogコンボ 113,300円(税込) |
| カメラ | 広角=1インチ・20mm・F2.0(17ストップ) 望遠=1/1.28インチ・60mm・F1.8 |
| ズーム | 光学3倍・デジタル最大12倍 |
| 動画 | 最大4K/240fps |
| 内蔵ストレージ | 103GB |
| 重量 | 230g |
| 追尾 | ActiveTrack 8.0 |
ポケットサイズのジンバルカメラに、望遠の二眼。私が半年我慢した理由は、この一点です。
面白いのは重さで、Pocket 3が179g、無印4が190.5g、この4Pは230g。
軽さを捨てて、望遠に払った世代です。
値段も、4Pのスタンダード99,000円は無印4の上位コンボ99,880円とほぼ同額。同じ10万円弱で、軽さを取るか望遠を取るか、という並びになっています。
弱点も先に書いておきます。
デジカメWatchのレビューには、シネマ向けのD-Log2は広角側のみで、D-Log2に設定するとズームが無効になる、ズームの切り替え点で映像が一瞬カクッとする、2つのカメラの同時記録はできない、という指摘があります。全部入りに見えて、全部同時には使えない。
もっとも私は、ここを実写で語れるほど撮っていません。
なぜ撮っていないのかは、後半で白状します。
半年待った男の、最後の30分
4Pは、発表と発売が同じ日でした。
2026年6月29日、夜の21時。発表された瞬間に、発売される。
半年待った身として、ここで出遅れるわけにはいきません。
私は事前にヨドバシの実店舗に行って聞いたのです。
「発表が21時なのはわかっている、ヨドバシ店頭での発売はまさか同日ではないですよね…翌日ですか…?」
返ってきた答えは「21時になった瞬間に発売になります」
これは意外。
矢継ぎ早に、店舗に来た方がいいかと聞くと、「お電話いただければお取り置きします」との福音。
作戦は決まりました。
予定通りに当日21時に電話。
詳細の発表の内容なんか見ていません。
とにかく電話です。
しかしどうでしょう。
つながりません。
何度かけても、つながらない。同じことをしている人が、電話の向こうにいっぱいいたんだと思います。
カメラ一台にここまでやるか。やりすぎかな、と自分でも思いました。
思いましたが、やめません。
そりゃ半年待ちましたからね。
やっと取り置きがとれて、その足でヨドバシへ。実際に買えたのは、発表から30分後ぐらいです。
あとで知ったんですが、いまも一ヶ月待ちや入荷待ちの店があるそうです。大人気のカメラで、狙っている人が多くて、在庫がすぐ消える。これはラッキーでした。
買ったのは単品ではなく、マイクなどが付いた上位のセット。正式な名前は、Vlogコンボ。
定価でいえば113,300円。
そしてこれを、現金もカードも使わずに買いました。
全額、ヨドバシのポイントです。
この日のために、貯めに貯めていたので。持ち出しゼロ。
半年かけて上げた熱量を、30分で使い切った夜でした。
熱量が続くモノと、買った日がピークのモノ
モノには二種類ある、と思っています。
所有したあとも熱量が続くモノと、買った日がピークのモノです。
HHKBというキーボードは前者でした。買ったあとに中のゴムを替え、リングを重ね、いまだに熱量が続いています。
ロレックスも前者です。所有したあとも熱量が高くて、歴代定価をたどる記事を1本、時計に総額いくらつぎ込んだかの実録はnoteに1本書いています。

で、カメラです。
カメラはこれまでもいくつか買ってきました。ソニーのコンデジRX100も、そのひとつです。
やっぱりカメラは、買った時が一番熱量が高いんです。毎回そうで、今回もそうでした。
カメラって結局面白いもんで、選んで、待って、手に入れるまでが最高潮。本末転倒みたいな感じではあるんですけど、これはもう私の仕様なんだと思います。
撮っていないくせに、周辺機器だけ増えていく
ここからが、散財の本編です。
本体を手に入れた私は、撮るより先に、周辺機器を買い始めました。
6月の終わりから7月のはじめにかけて、1週間ちょっとで6点。合計11,762円。
撮ったものがほぼゼロのカメラのために、です。
これには理屈があります。本体の熱量が下り坂に入っても、周辺機器をポチるたびに、小さな「買った日」がもう一度来るんです。買うときが一番熱量の高い人間にとって、周辺機器は熱量の延命装置なんですね。
その結果が、こちらです。
| 判定 | 買ったもの | 実額 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| ◎ | Ulanzi ミニ三脚ベースセット(充電ベース付き・磁気なし) | 4,480円 | 付属の三脚は大きすぎる。コンパクトが正解 |
| ◎ | VRIG 磁気マグネット式マウント(MG-24) | 1,344円 | 磁気の商品はすごいいい。iPhoneと共用狙い |
| ▲ | Ulanzi SK-23 電動式吸盤マウント(車載用) | 3,199円 | ダッシュボードで鳴き続けた |
| ▲ | CHILI PEPPER 吸盤ベース10枚 | 880円 | 普通の吸盤はくっつくが電動は別 |
| × | FILMEXT レンズ保護フィルム2枚 | 860円 | サイズが全然違って、結局使っていない |
| ― | 画面用ガラスフィルム2枚 | 999円 | 画面用。レンズ用とは別の話 |
当たり① Ulanziのミニ三脚ベースセット(4,480円)
ミニ三脚とベースのセット。あれ、すごいいいです。
コンボに最初から三脚が付いてくるんですが、これがすごい大きいんですよね。
しかもOsmo Pocketというカメラは、本体だけで自立させるのがすごい大変。
なので、こういうコンパクトなもので自立させてやるのがいいと思います。土台にType-Cのポートが付いていて、充電ベースを兼ねる作りです。
ひとつだけ悔しい話をすると、最近プライムデーが始まりまして。こういう周辺機器が、セールでおそろしく安くなっているんです。
自分が買ったあとに、です。
新型を半年待てた男が、セールは待てませんでした。

当たり② VRIGの磁気マウント(1,344円)
Osmo Pocketを使うようになって初めて知ったんですが、磁気の商品ってすごいいいですよね。
私が買ったのはVRIGのMG-24というマグネット式のマウントで、狙いはiPhoneとの共用です。
三脚用の1/4インチネジがついているので、後述の吸盤マウントで付け替えが可能。

ハズレ。レンズ保護フィルム(860円)
フィルム類は、良くなかったですね。
買ったのは2種類。画面用のガラスフィルム(999円)と、レンズを保護するフィルム(860円)です。
ダメだったのはレンズの方。サイズが全然違ったので、結局使っていません。
あとから調べて、合点がいきました。
Pocket 3や無印4は単眼、4Pは二眼で、レンズまわりの形がそもそも別物です。そのうえ発売直後で、二眼対応の周辺機器の供給が追いついていない。フィルターの定番どころのPolarProですら、4P専用フィルターを出したのは7月1日でした。
発売直後のカメラの周辺機器は、対応をよく確かめてから買う。860円の授業料で覚えました。
ちなみに下のリンクは画面用の方です。レンズ用のリンクは貼りません。みなさんが同じ轍を踏むといけないので。

番外:パチンと留まるケースが、まだ無い
これは買った・買わないの話ではなく、買いたくても売っていない話です。
Pocket 3や4には小さい専用ケースがあるんですが、4Pはまだポーチっぽいやつしかありません。
私が欲しいのは、本体にパチンと留まるケースです。裸で持ち歩くの怖いですから。
3から4への世代交代で、レンズが内側に保護される設計になったのですが、4Pにそれはありません。
調べてみると、4Pはジンバルにロック機構が付いて、従来のようなハードケースに入れる必要がなくなった、というのがメーカー側の考えのようです。レンズカバーも外して交換できる。
理屈は分かります。
分かりますが、10万円のカメラを裸でカバンに放り込む度胸は、私にはありません。ケースメーカーのみなさん、早くお願いします。
ダッシュボードの上で、じじじじい
今回いちばんの学びの話をします。
買った瞬間がピークとはいえ、使い道を考えていなかったわけではありません。私が試したかったのは車載です。車にどう載せたらいいか、あれこれ試していました。
計画はこうです。
車のダッシュボードに吸盤ベースを吸い付かせて、その電動の吸盤を装着。そこにOsmo PocketもiPhoneも載せ替えられる車載基地を作る。
我ながら、完璧な計画でした。
普通の吸盤はくっつくのに、電動だけが鳴き続ける
まず、ダッシュボードのザラザラした面に吸盤が付かないこと自体は、想定内でした。実際、付きません。ここまでは計画どおり。
なので、吸盤用の下地になる板——吸盤ベースを敷いて、その上でやりました。
普通の吸盤は、くっつくんですよ。ちゃんと。
ところが。
電動の吸盤マウントだけが、ずっと空気を吸いっぱなしで、じじじじい言いながら、固定できない。
これはですね、意外でした。
ちゃんと吸盤ベースをつけているのに。
車内に、じじじじいという音だけが響き続ける。頼もしいはずの機械が、ダッシュボードの上でいつまでも鳴いている。
敗因を調べたら、理屈の通った失敗だった
意外だったので、調べました。
まず、私が買ったUlanziのSK-23という電動吸盤マウントは、公式サイトが対応面を「ガラス面、金属面など滑らかな表面」と明記しています。つまり最初から、ツルツルの面専用の道具です。
一方、車のダッシュボードの多くはシボ加工といって、表面に細かい凸凹があります。吸盤にとってはこの凸凹が致命的で、空気が入り込んで真空が作れません。
なので、吸盤ベースをつけたのですが。
機械が空気の漏れを検知し続けて、ポンプが回り続けます。
手動の吸盤なら、うまく吸盤ベースに吸い付く。しかし電動はポンプし続けて、止まらない。
あれが、じじじじいの正体でした。
この挙動はSK-23に限らず、自動で吸着し直すタイプの電動吸盤に共通の仕組みのようです。
道具の名誉のために書いておくと、もちろんSK-23が悪いわけではありません。
しかし、吸盤ベースではうまくつかない。
ここに小さなライフハックが生まれました。

吸盤ベース自体は、手動の吸盤には有効でした。電動吸盤とあわせて4,079円。今回の授業料です。

この失敗は、学びとしてみなさんに共有しておきます。電動吸盤は、吸盤ベースでは鳴くだけです。
で、何を撮ればいいのか分からない
さて、一番の問題です。
道具はそろいました。三脚も、磁気マウントも、画面のフィルムも。
ないのは、撮る対象です。
撮っている中身は、そんなに撮っていません。
歩きながらしゃべる、いわゆるVlogはやっていない。箱を開けてセッティングしながら少し回したくらいで、撮ったもの自体はほぼゼロに近いかもしれません。
なぜ撮らないのか?
ちょうど、対象がないんです。
ポートレートとか、趣味のものを撮るとか、何かあったらいいのかもしれませんけど、なかなか見つからない。ここが、寂しいところです。
じゃあ、なんで買ったのか?
ガジェットの一部として、欲しかったんです。カメラとして、というより、よくできた道具として。
結構、欲しくなるんですけどね。で、手に入れてから、何したらいいか分からない。正直なところです。ちょっと恥ずかしいんですけど。
ネット上には、4Pの目玉機能は普通に使う分にはオーバースペック気味、SNSに上げるだけなら17ストップは宝の持ち腐れ、なんて声もありました。使い道が決まっていない人に、ここまでの性能は要らないという話です。
いいじゃないですか。
趣味なんだから。
それでも、これから買う人に言えることがふたつ
こんな私でも、言えることがふたつあります。
ひとつ。いきなり買わずに、先に借りて確かめるのはいい手です。
私はレンティオでPocket 3を9日間・6,822円で借りて、体験がとても良くて、それで買う決心がつきました。10万円の判断の下見が6,822円でできるなら、安いものだと思います。
ふたつ。買うと決めたら、発売日に動く。
人気カメラの初回在庫は、本当にすぐ消えます。私のように実店舗に取り置きを頼むやり方は、地味ですが効きました。次に何かを買うときにも使える手だと思っています。
私が買ったマイク付きの上位コンボは、これです。

ちなみに、いまはPocket 3・4・4Pの3世代がぜんぶ売られていて、6万円台から11万円台まできれいな値段の階段になっています。どの世代を買うかから迷っている人向けに、3世代の違いと選び方の比較も書きました。
おわりに
半年待って、発売30分後に買って、周辺機器を6点そろえて、ダッシュボードの上でじじじじい言わせて。
それでもまだ、撮る対象は見つかっていません。
それなのに、です。
次は、マグネットでくっつく小さい磁気三脚もいいなあ、と思っています。
まだ持ってもいないのに、もう、いいなと思ってしまっている。
カメラは買うときが一番熱量が高い、と冒頭に白状した男の、これが現在地です。
後悔しているかと聞かれると、していないんですよね。困ったものです。
撮る対象と、パチンと留まるケースが、早く見つかりますように。
それでは。
「先に借りて確かめる」のは効く一方で、勢いで当たりを引くこともあります。試しに一枚、のつもりで足したモバイルモニターが、気づけば手放せない常設装備になりました。試し買いが大正解に転んだ話も残しています。





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