みなさん、焼肉好きですよね。
私も好きです。
近年徐々に知名度を増している、北海道の北見市で行われる「厳寒の焼肉まつり」。
先日私も行って参りましたので、そのレポートを今回はお送りします。
新興の奇祭・厳寒の焼肉まつり
菊池亜美と女子カーリング選手を生んだ街、北見。
かつては天然ハッカの生産量世界一を誇り、現在は玉ねぎの生産量日本一を誇っています。
人口に対する焼肉屋の比率が日本一(店舗数日本一ではないのがなんとも)という北見市で、毎年行われているのが、厳寒の焼肉まつりです。
この祭りは2020年で21回目を数え、そんなに長い歴史がある訳ではありません。
なんでも、北見に転勤・単身赴任で来たサラリーマンが「寒い北見でなにかお祭りを!」と考え始まった祭りのようです。
控えめに言ってどうかしてます。
近年はチケットが即完でプラチナ化しているとのこと。
行く方も行く方でどうかしています。
とは言うものの、私も行っていますのでどうかしている一人です。
とにかく白いぞ、焼肉まつり
厳寒の焼肉まつりは北見駅の裏の大きな駐車場で行われます。
つまりは街のど真ん中でもうもうと数百の七輪から煙が上がります。
そして来ている人たちの口からはもうもうと白い息が出ています。
会場には、豚汁やラーメン店(!)まで来ており、もうもうとのろしのような煙が上がっています。
つまりはそこらじゅう白い。
冬の空気は澄んでいるはずなのに視界がとても悪いのです。
写真を撮ろうにも白く霞んでしまいます。
もう、なにがなんだか。
そんなそこかしこから上がる煙に、街中の投光器を集めてきたのではないかと思うほどの数の光が浴びせられ、肉の焼き加減を見るために参加者の中にはヘッドライトをつけている人もいます。
もう、なにがなんだか。
換気の甘い冬場の銭湯よりも白いです。
楽しみ方は十人十色
参加者の表情は、はっきり2つに分かれます。
- 寒い中で焼き肉をすることに喜びを感じ笑顔の人。
- 寒い中で焼き肉をすることに絶望を感じ虚空を見つめる人。
同じことをやっているのに、なぜこうも反応が違うのでしょう。
どちらにせよ、やっぱりどうかしています。
そんな中、ある程度楽しんだらそそくさと帰る人もたくさんいます。
寒いですからね。
祭りが進行してクライマックスに近づくに従って人数が減ってゆく祭りも珍しいです。
後半は肉もないしお腹いっぱいだし、ただ厳寒の駐車場に佇む集団と化してゆきます。
なんなのでしょう。
レミングの群れなのでしょうか。
肝心の焼肉はどうなの
はじめに入場券と肉を交換します。
ホルモンや豚肉が1人ぶん入ったものです。
塩コショウはその中に入っていますが、焼肉のタレやレモン汁はそこかしこに置いてあります。
2人に1つくらいのペースで置いてあります。
参加者は2500人の満員御礼ですので、1000本程度あるのではないでしょうか。
このタレは早く使いましょう。
なぜなら早く使わないと凍るからです。
追加の肉も売っています。
途中、会場で抽選会が行われ、結構な頻度で肉の抽選が行われます。
そして結構な頻度で当選します。
つまり、この天然の冷凍庫に肉がジャブジャブ生まれてくるのです。
正直、それでお腹いっぱいです。
ソフトドリンクと焼酎お湯割りはなんと飲み放題。
スポンサーの関係のようです。
この飲み物も早く飲みましょう。
なぜなら早く飲まないと凍るからです。
そうです。
お湯割りが水割りとなり、気がつけばシャーベット状になり最後は凍ります。
気を抜かないでください。
そうして厳寒の祭りの夜は更けてゆく
ご当地アイドルが寒い中歌って踊ったり、姉妹都市のチームがよさこい踊りをしたり、参加者のカラオケ大会などがステージ上で開かれながら、ゆるーく祭りは進行してゆきます。
いいんです。
ここへ来ている人のほとんどの目的は「冬の北海道の野外で肉を食う」ということが目的なのですから。
そうして厳寒の夜は更けて行きます。
参加者の感想はただ一つ、「寒い」それだけです。
焼肉がおいしかったとか楽しかったとかではなく、「寒い」それだけなのです。
おわりに
こんなのまさに新興の奇祭です。
しかし地元のテレビ局やキー局の取材、ちらほらタレントの顔も見えたりと街おこしとしてはある程度成功しているのかも知れません。
だって奇祭なんですもの、そりゃ面白半分でみんな見に来ますよ。
この祭りを経験した参加者の総意は「室内で食べる焼肉がうまい」ということです。
みなさんも、よい焼肉ライフを。
それでは。
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